東スポ、角田の件で正論を書く

　まだ２１歳。粒ぞろいの同期生の中でも、２年目に重賞勝ちを果たすなど騎乗技術には高い評価があった。その死はあまりにも残念すぎる。
　近年は著名人の訃報でも死因が発表されないケースがあり、今回も該当する。遺族の胸中を思えば当然のことだ。それでもネット上には憶測が満ちあふれ、これに対する批判や反論が泥仕合の様相を呈しているが、そこには何の生産性もない。残るのは虚しさだけだ。ただ、一人の若手が亡くなったことを、悲しむだけで終わらせてはいけないだろう。
　不確かな内容の動画や、噂話をまとめただけのブログが多くのアクセスを稼ぎ、メディアの写真を自ら撮影したように投稿して“バズった”ＳＮＳが少なからずあった。これらは人の生死を利用して私利私欲を満たす行為にほかならず、アクセスするだけでも加担してしまう。ましてや、誤った情報を安易に拡散することは自身が加害者にもなりうると認識しておきたい。
　競馬はスポーツとギャンブルという二面性を持っているが、ひとくくりにすれば「娯楽」に集約される。今回のような重苦しいことは何も考えることなく、心から楽しめるものであってほしい。
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