日本中央競馬会(JRA)が運営指針にあたる「競馬施行規程」を改定し、競走に無関係の不適切行為に対しても馬主を処分できる規定を新設することが6日、わかった。
中央競馬は新型コロナウイルス感染拡大中も開催が続き、従事者への経済的影響は限定的だったにもかかわらず、 厩舎きゅうしゃ 従業員らがコロナ対策の持続化給付金を受け取っていた問題が2021年に発覚。
JRAは関係者を処分したが、受給を指南していた馬主の税理士を処分する規定がなく、不備を指摘する声が出ていた。
この馬主が代表を務める税理士法人は、厩舎スタッフらに給付金を申請するよう促すビラを配って受給を働きかけていた。同法人と同じグループの行政書士事務所は代理で申請した際に報酬を得ていたが、問題発覚後に返金したという。
JRAはこれまで、利益を得るために競走馬の能力を発揮させないなど公正を害する馬主に対し、競馬への関与を禁じる措置を取ることができた。だが、給付金の問題は直接競馬の公正性には関係せず、処分ができなかった。
一連の経緯を踏まえた改正競馬法が昨秋に成立。給付金問題は世論の批判を受け、競馬への信頼が揺らぎかねないとして、JRAなどの主催者が「円滑な開催のために」馬主を処分できる規定が作られた。競馬以外の様々な不適切行為に対して処分が可能になり、JRAは、競馬施行規程に過怠金や戒告の処分を加える方向で調整している。
JRAの調査によると、給付金の不適切受給者は167人で、総額は1億9383万円。このうち、退職者を除いた166人は21年末までに返還手続きが完了していた。
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Source: ターフ速報-競馬まとめ-